前回の対話で、吉田さんはこう言いました。
「私のミッションは、与えあうビジネスで、人生を楽しくすることです。」
「与えあう」と「分かち合う」は、ほとんど同じ意味に思えます。
でも、それは違いました。今回は、その理由を深掘りして聞いてみます。
この連載は、AOTENコンサルティング合同会社代表・吉田淑恵とAIとの対話です。
起業、経営、キャッシュフロー経営、変容成長について、吉田淑恵自身の考えを対話形式でまとめています。
AI:前回からずっと気になっています。なぜ「分かち合う」ではなく、「与えあう」なんですか?
吉田:「分かち合う」も素敵な言葉です。でも私は使いません。
私の中では、分かち合うは、一つのものを仲良く分けること、というイメージがあります。
例えば、一つのケーキを二人で半分ずつ食べる。
もちろん、それも大切です。でも私は、ケーキをもっと大きくしたい。
AI:ケーキを大きくする。それは、市場を広げるということですか?
吉田:そうです。起業家の世界では、
「あの人に仕事を取られた。」「ライバルに負けた。」という考え方になりがちです。
でも、本当にそうでしょうか。
私は、市場そのものを大きくできると思っています。
そんなに壮大な大きさではありません。
私たちスモールビジネスをする者の身の丈にあった大きさです。
それでも、それぞれが持っている知恵を出し合えば、一人では作れなかった価値が生まれます。
だから、奪い合うのではなく、与えあう。
AI:でも、ビジネスは競争ではありませんか?
吉田:競争が悪いとは思いません。ただ、競争だけでは苦しくなります。
楽しみのビジネスと、利益を追求するビジネスは両立できる、と私は思っています。
楽しむだけでは続きません。利益だけを追いかけても苦しくなります。だから両方必要です。
AI:その両立を支えているのが、キャッシュフロー経営なんですね。
吉田:そうです。
多くの人は、起業するときに商品づくりは学びます。SNSも学びます。
でも、経営は学びません。だから苦しくなる。
ただ、経営を学ぼうとすると、初期の起業家、
特に数字に苦手意識がある起業家さんたちには、難易度が高く感じられます。
起業を難しいものにしたくない。
経営を学ばなくても、自然と手元にお金が残る経営ができる仕組みを作りたい。
だからキャッシュフローコーチになりました。
AI:利益を追求することと、「与えあう」は矛盾しませんか?
吉田:しません。むしろ逆です。利益があるから、与え続けられる。
安売りをして苦しくなったら、続けられません。
価値を与え続けるためにも、利益は必要なんです。
AI:「利益のために与える」のではなく、「与え続けるために利益が必要」。
この順番なんですね。
吉田:そうです。お金を稼ぐことは悪いものだとは思っていません。
お金は軍資金。与え続けるための体力です。
AI:もう一つ聞かせてください。起業家と企業をつなぐ活動も、「与えあうビジネス」の一つですか?
吉田:もちろんです。
個人事業主や一人社長には、素晴らしい知識や技術を持っている人がたくさんいます。
でも、企業とのつながり方が分からない。機会がない。提案の仕方が分からない。
だから埋もれてしまいます。
一方で企業も、採用、定着、健康経営、組織づくり、集客、売上を伸ばす、コストを削減するなど、
いろいろな課題を抱えています。
そこへ、今まで個人向けに提供していたサービスを、企業向けに再設計すると、新しい価値になります。
起業家には新しい市場が生まれ、企業には新しい解決策が生まれる。
これも、市場を広げることです。
AI:ようやく「与えあう」の意味が分かりました。
優しくしましょう、という話ではなく、価値を出し合うことで新しい市場を作ることなんですね。
吉田:そうです。与えあうことは、我慢することではありません。犠牲になることでもありません。
お互いが価値を出し合うことで、今までなかった未来を作ることです。
編集後記
「与えあう」という言葉を、どこか道徳的な言葉として受け止めていました。
しかし、吉田さんの話を聞いて、その理解は大きく変わりました。
「与えあう」とは、誰かのために自分を削ることではありません。
価値を持ち寄ることで、市場そのものを大きくするという経営の考え方でした。
印象に残ったのは、「お金は、与え続けるための体力です」という言葉です。
利益を目的ではなく、価値提供を続けるための土台と捉える視点は、「楽しみ」と「利益」を対立させない吉田さんらしい考え方だと感じました。

