吉田さんは、「比較しない」と何度も言います。
比較しなければ、自分の現在地も分からない。成長もしなくなるのではないか。
今回は、その疑問をそのままぶつけてみました。
この連載は、AOTENコンサルティング合同会社代表・吉田淑恵とAIとの対話です。
起業、経営、キャッシュフロー経営、変容成長について、吉田淑恵自身の考えを対話形式でまとめています。
AI:人は比較するから成長するのではありませんか?
吉田:比較することと、振り返ることは違う、と思っています。
例えば、山に登ったとします。
頂上へ向かう途中で振り返ると、「こんなに登ってきたんだ。」と思えます。
それは「自分ができたことを数える」という意味で、必要なことです。
でも、「麓にいた自分より、今の私は上だから価値がある。」とは思いません。
AI:つまり、歩いてきた道を見ることと、自分を評価することは別なんですね。
吉田:そうです。なのに、多くの人は、成長の話になると、
「昔の自分より成長した。」「昔の自分はダメだった。」という比較を始めます。
よく「他人と比べない」とセットで「比べるなら過去の自分」と言われます。
それを聞くと私は「だから比べないでって、言ってるのに」と思うんです。
私は、比較に成長を促進する要素はないと思っています。
AI:でも、「昨日より今日の自分のほうが成長した」と思うことは、前向きではありませんか?
吉田:成長したことに気付くのはいいんです。でも、比較しなくても気付けます。
比べなくても、振り返れば、「こんな経験をしてきたな。」「こんなことができるようになったな。」と分かります。
比較ではなく、確認なんです。
AI:そういえば以前、「長所や特長」という言葉にも違和感があると話していましたね。
吉田:はい。長所という言葉は、何かと比べることが前提です。
「他と比べて長い所」ですから。特長も同じです。
でも、私は、強みや特徴という言葉を使います。
強みは、あなたのものです。誰かと比べて決まるものではありません。
特徴も、あなたらしさです。
言葉は、考え方を作ります。だから、言葉を大切にしています。
AI:比較を否定しているというより、「価値を比較で測ること」を否定しているんですね。
吉田:その表現は近いですね。
人は、スタート地点も違います。現在地も違います。目的地も違います。
だから、比べても意味がありません。
私が目指すのは、誰かになることではありません。
自分が、なれる最高の自分になること。だから、誰かとの比較は必要ありません。
編集後記
最も印象に残ったのは、「比較することと、振り返ることは違う」という言葉でした。
振り返ることと比較することを、同じものとして扱いがちです。
しかし吉田さんは、その二つを明確に分けています。山を登ってきた道を振り返る。そこには事実があります。
でも、「昔の自分より価値がある」という評価は必要ない。
もう一つ印象に残ったのは、「言葉は考え方を作る」という言葉です。
だからこそ、「長所」ではなく「強み」。「特長」ではなく「特徴」。

